特集 不整脈1—上室性不整脈
【ミニコラム①】抗不整脈薬で慢性維持治療中,抗不整脈薬の中止はいつ考慮するか?—有効性と安全性の2つの側面から考えよう
小田倉 弘典
1
Hironori ODAKURA
1
1土橋内科医院
pp.554-557
発行日 2022年2月24日
Published Date 2022/2/24
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900937
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抗不整脈薬を処方する機会は以前より少なくなったとはいえ,循環器医からの逆紹介時に総合内科医が処方を引き継いだり,発作性心房細動のリズムコントロール目的で処方を開始したりする機会を少なからず経験する。
抗不整脈薬のそもそもの目的として「生命予後の改善」については否定的な報告が多く,むしろ悪化させる可能性がある。「発作時に明らかな症状があり,薬物投与後に顕著に症状が消失した場合」,ならびに「運動耐容能改善などQOL改善目的(脳卒中予防や抗凝固療法中止目的ではない)」が,抗不整脈薬の適応と考えられる。しかし,抗不整脈薬の長期投与にはさまざまな問題点があり,漫然とした投与は見直しに値すると思われる。抗不整脈薬を中止する場合,有効性と安全性の2つの側面から考えるとわかりやすい。主に心房細動症例を想定し,どのような場合に中止を検討すべきかについて論じる。
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