特集 これからの高齢者診療—循環器医が人生100年時代にどう向き合うか?
Ⅲ.高齢者で増加する疾患にどう対処するのか?
―紙上ディベート―心房細動:アブレーション
福井 暁
1
,
廣田 慧
1
,
髙橋 尚彦
1
1大分大学医学部循環器内科・臨床検査診断学講座
pp.108-112
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1438200454
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Point
・高齢者であっても心房細動によりQOLの著しい低下や心不全を発症する症例は,洞調律維持が望ましく,その場合,薬物療法(抗不整脈薬)よりアブレーションが適している.
・高齢者にアブレーションを行う際は,心タンポナーデなどの合併症が生じやすいこと,肺静脈前庭部隔離に成功しても非肺静脈起源の心房細動や左房低電位領域を基盤とした心房頻拍(AT)が出現する可能性が高いこと,洞不全症候群のためペースメーカー移植が必要になる症例があることなどに注意する必要がある.
・本稿では,筆者が経験した症例を踏まえ,高齢者に対する心房細動アブレーションについて“Pro”の立場から述べる.
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