特集 ホスピタリストのための画像診断—①胸部・縦隔編
【各論(胸部疾患)】
7.急性過敏性肺炎—キーとなる画像所見と類似する疾患
池田 織人
1
,
陣崎 雅弘
1
,
栗原 泰之
2
Orito IKEDA
1
,
Masahiro JINZAKI
1
,
Yasuyuki KURIHARA
2
1慶應義塾大学医学部 放射線科学教室(診断)
2聖路加国際病院 放射線科
pp.253-260
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900779
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過敏性肺炎hypersensitivity pneumonitis(HP)は,抗原に長期間曝露されることで感作が成立し,細気管支から肺胞壁におけるⅢ型およびⅣ型のアレルギー反応により発症する。
過敏性肺炎は以前,急性,亜急性,慢性の3病型に分類されていたが,これは予後を反映した分類ではなく,また実臨床において急性と亜急性の区別が明確でないとの点から,近年の研究成果もふまえ,急性過敏性肺炎と慢性過敏性肺炎に大別されることが多い。こうした過敏性肺炎の診断において,画像診断の果たす役割は非常に大きい。
本稿では急性過敏性肺炎に焦点をあて,主なCT画像所見とその診断過程で是非念頭におきたい,CT画像所見が類似する疾患について概説する。さらに発展的な内容として,まれではあるが,特殊な陰影パターンを呈する過敏性肺炎について最後に述べる。
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