特集 ホスピタリストのための画像診断—①胸部・縦隔編
【各論(胸部疾患)】
8.肺の良性腫瘍/悪性腫瘍—画像診断による患者マネジメントへの応用
大野 良治
1
Yoshiharu OHNO
1
1藤田医科大学医学部 放射線医学教室
pp.261-265
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900780
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
肺結節の画像診断
肺結節の画像診断においては,長らく胸部X線写真が検出に用いられてきたが,National Lung Screening Trial(NLST)1)やThe Dutch-Belgian lung-cancer screening trial2)*1などにより,低線量CT肺癌検診の有用性が明らかになるにつれ,日常臨床のみならず,人間ドックなどの検診においてもCTの活用が進んだ。その結果として,肺腺癌におけるnotch,spiculaや胸膜嵌入像,肺過誤腫における肺結節内の脂肪濃度などの伝統的なCTによる肺結節の鑑別診断には限界があることも示唆されるようになっている。したがって,いくつかの特徴的画像所見を有する結節を除き,現在,肺結節はCT所見によってすりガラス結節ground-glass nodule(GGN),部分充実結節part-solid noduleと充実結節solid noduleに分類されている。さらに,GGNとpart-solid noduleを合わせてsub-solid noduleともいわれている。そして,結節のタイプ,数および長径によりマネジメント法が異なることが示唆されている。
Copyright © 2020, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.