特集 ホスピタリストのための画像診断—①胸部・縦隔編
はじめに|ホスピタリストが画像診断を学ぶためのアプローチ
前田 恵理子
1
Eriko MAEDA
1
1東京大学医学部附属病院 放射線科
pp.197
発行日 2020年6月1日
Published Date 2020/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900772
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画像診断は現代医療の基盤であり,何科の医師にとってもある程度の画像診断の素養を身に着けることは,避けて通れない。しかし,画像診断はそれだけで「放射線医学」という分野が成立する深淵な学問である。放射線科医のなかでも,ジェネラリストとして全身の画像診断専門家になるには,年余の専門研修と,何万例という経験の蓄積が必要となる。画像が本業ではないホスピタリストの先生方が画像診断を学ぶ際に,放射線科医と同じ学び方を求めるのは非現実的であり,新たなアプローチが必要とされよう。
ではホスピタリストが,真に身に着けておくべき画像の知識は何だろうか。放射線医学の教科書には,放射線科医ができるだけ多くの鑑別診断を学ぶことができるように,非常に多くの疾患が網羅されている。しかし,内科の臨床においては,多くの画像所見や鑑別診断を知っていることが勘所とはいえない領域が多いだろう。むしろ,頻度の高い疾患,臨床的に重要性の高い疾患について,up to dateな治療方針をふまえた,一歩深い知識をもつことが強く求められる。
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