Japanese
English
特集 急性腎障害(AKI)
総論
診断へのアプローチ
Diagnostic approach for AKI
湊口 俊
1
,
林 宏樹
1
,
湯澤 由紀夫
2
MINATOGUCHI Shun
1
,
HAYASHI Hiroki
1
,
YUZAWA Yukio
2
1藤田医科大学医学部腎臓内科学
2藤田医科大学学長
キーワード:
AKI
,
AKD
Keyword:
AKI
,
AKD
pp.15-21
発行日 2023年1月25日
Published Date 2023/1/25
DOI https://doi.org/10.24479/kd.0000000574
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
高齢化や糖尿病,慢性腎臓病(CKD)患者の増加,多くの疾患に対する治療の進歩に伴い,急性腎障害(AKI)の発症頻度は急増してきている。AKIの発症自体が予後に寄与することから,早期に腎障害を認識し治療介入することが腎予後および生命予後の観点で重要視されている。日常診療においては,手術後のAKI,心不全やその治療に伴うAKI,悪性腫瘍治療薬や抗菌薬などの薬剤使用に伴うAKIなど,さまざまな状況でAKIに遭遇する可能性がある。ひとたびAKIの診断に至ったら,原因を同定し適切な治療を行うために,基本のアプローチとして腎前性AKI,腎性AKI,腎後性AKIの鑑別を行うことが重要である。まず,超音波検査やCT検査などの画像検査にて腎後性AKIを除外することが一般的である。腎後性AKIを否定した後に腎性AKI,腎前性AKIの鑑別を行う。しかしながら,たとえ腎後性AKIであったとしても同時に腎前性AKIや腎性AKIが合併しうるという認識が必要である。特に,後述するように腎前性AKIと腎性AKIの明確な鑑別は難しく,同時に共存しうる病態である。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.