特集 内分泌疾患2
はじめに|専門医とホスピタリストの対話から内分泌疾患を学ぶ
栗原 勲
1
,
大塚 文男
2
Isao KURIHARA
1
,
Fumio OTSUKA
2
1防衛医科大学校 医学教育学
2岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 総合内科学
pp.265-266
発行日 2021年12月22日
Published Date 2021/12/22
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900879
- 有料閲覧
- 文献概要
医師の総合力が試される内分泌疾患
Hospitalist第32号の特集テーマは「内分泌疾患」です。内分泌は,ホスピタリストにとって最もチャレンジングな領域の1つです。日常診療において,内分泌疾患に遭遇することは極めてまれです。しかしまれだからといって知らないでよいかというと,そうではありません。なぜなら,内分泌という生体機能は体のすべてにかかわることを基本としており,それゆえに,日々目にする患者さんの変化が内分泌疾患と関連がないか,常に念頭においておかなければならないからです。些細な糸口から内分泌疾患を見抜くスキル,それこそがホスピタリストに求められる重要な能力の1つであり,多くのホスピタリストに内分泌を優先して学んでほしい所以です。
Hospitalistの読者の中心となる総合内科を受診する患者さんは,多種多様な主訴をもって来院されますが,その多くの症状や病態に何らかの内分泌異常が潜んでいる可能性を疑う必要があります。実際,岡山大学病院の総合内科では,内分泌・代謝疾患が主因となる受診が,外来患者の約1/4・入院患者の約1/3において含まれていました。内分泌疾患は疑わないと見落としやすいため総合的・全人的な視点が重要で,その診療は医師の総合力が試される場といえます。
Copyright © 2021, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.