特集 内科エマージェンシー
各論(緊急度と頻度の高い疾患を中心に)
11.呼吸困難—潔さと思考の柔軟性を大事にしながら心不全,COPD・気管支喘息に臨む!
濱 義明
1
,
加藤 陽一
1
Yoshiaki HAMA
1
,
Yoichi KATO
1
1熊本赤十字病院 救急科
pp.785-798
発行日 2019年12月1日
Published Date 2019/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900728
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[要点1:総論]
●心不全やCOPD・気管支喘息による呼吸不全は,迅速な初期診療が予後を左右する。
●心不全に対しては,クリニカルシナリオ(CS)に従って初期診療を開始しつつ,呼吸仕事量が多ければ早期から非侵襲的換気療法(NIV)を導入する。多くのメタ解析が予後改善効果を示しており,強く推奨される。
●呼吸不全を呈している患者では,気管挿管手技に割ける時間は限られている。準備から手技施行に至るまでの各段階に万全を期すことが,予後改善につながる。
[要点2:COPD・気管支喘息]
●COPDの急性増悪に対しては,ABCアプローチを行いつつ,呼吸仕事量が多い場合や呼吸性アシドーシスの強い場合はNIVを導入する。
●気管支喘息の発作に対するNIVのエビデンスは確立していないため,施行に際しては早期の導入と,COPDよりも低い気管挿管への移行閾値が必要である。
●COPD・気管支喘息に対する気管挿管,人工呼吸器管理は,呼気時間を十分に確保しオートPEEPを防ぐ。その結果生じる高二酸化炭素血症は許容する。
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