特集 抗血小板薬,抗凝固薬のすべて
8.triple therapy, double therapy—心房細動を合併したPCI症例の治療戦略に関する最新の知見
平山 敦士
1
,
野口 暉夫
1
Atsushi HIRAYAMA
1
,
Teruo NOGUCHI
1
1国立循環器病研究センター 心臓血管内科冠疾患科
pp.577-581
発行日 2019年9月1日
Published Date 2019/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900704
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超高齢社会を反映して,日常診療のなかで心房細動を合併する虚血性心疾患患者と遭遇する機会は増えている。心房細動症例においては,塞栓症予防のために抗凝固療法を用いることが必要であり,冠動脈疾患(CAD*1),特に経皮的冠動脈インターベンション(PCI*2)を実施した症例には抗血小板療法が必要である。それぞれの疾患に対するエビデンスに基づいて処方薬剤を増やすとなると必然的に多剤併用となるが,抗血栓薬の併用療法では併用薬剤数が増えるほど出血のリスクが上昇することは自明である。特に,抗凝固薬+抗血小板薬2剤併用療法からなるtriple therapyでは出血合併症が相当に多いことが知られており,心房細動合併CADに対して抗凝固薬+抗血小板薬単剤からなるdouble therapyの有用性がこの数年で検討されてきた。
本稿では最新のエビデンスに基づいてtriple therapy, double therapyの在り方について概説する。
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