特集 多発性硬化症診療最前線
Induction therapyとEscalation therapy
越智 博文
1
1愛媛大学大学院医学系研究科老年・神経・総合診療内科学 講師
キーワード:
多発性硬化症
,
疾患修飾薬
,
Induction therapy
,
Escalation therapy
Keyword:
多発性硬化症
,
疾患修飾薬
,
Induction therapy
,
Escalation therapy
pp.45-51
発行日 2018年3月20日
Published Date 2018/3/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.36.03_0045-0051
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
多発性硬化症(multiple sclerosis;MS)の発症を予防,あるいは疾患を根治することのできる治療法はない。そのため,MSの再発を予防し進行を抑制することが治療の目標となる。この目的で使用される薬剤を疾患修飾薬(disease modifying drug;DMD)と呼び,今日のMS診療では,診断確定後はできるだけ早期にDMDによる治療を開始することが広く受け入れられている。「多発性硬化症・視神経脊髄炎診療ガイドライン2017」においても,再発寛解型MSにおいては早期にDMDを開始することが強く推奨されている1)。さらに,clinically isolated syndrome(CIS)であってもMSに特徴的なMRI画像を有する典型的な症例では,DMDを考慮してもよいとされている。しかし,どのDMDを選択するかについては明確な基準があるわけではなく,個々の患者で慎重な判断が必要となってくる。本稿ではまず,早期治療開始の有効性と重要性について解説したのちに,どのDMDを用いて治療を開始したらよいか,「induction therapy」と「escalation therapy」を例に解説したい。「KEY WORDS」多発性硬化症/疾患修飾薬/Induction therapy/Escalation therapy
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.