特集 総合内科のための集中治療
Part 3:予防とpost-ICUケア
【ミニコラム③】ABCDEFバンドル—PICS予防のみならず,その実践が日本のICU診療を底上げする
川上 大裕
1
Daisuke KAWAKAMI
1
1神戸市立医療センター中央市民病院 麻酔科
pp.410-413
発行日 2019年6月1日
Published Date 2019/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900684
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PICS(post intensive care syndrome)を予防するためには,PICSのリスクを軽減することが大切である。PICSに進展し得るせん妄の減少や,人工呼吸器管理期間の短縮が証明された方法を,日々の臨床のなかで確実に実践していく必要がある。PICS予防のエッセンスは,画期的な治療法や治療薬でなく,日々のごく普通の診療,ケアのなかに隠されている。
敗血症の治療,人工呼吸器関連肺炎や消化管出血の予防など,集中治療分野にはいくつかの「バンドル」が存在する。バンドルは「束」という意味で,有効性が示されている方法を複数組み合わせ,実践することで,その実施率を高め,良好なアウトカムを達成する仕組みである。PICSの予防には「ABCDEFバンドル」がある。
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