特集 心不全
Part 3:ICU,病棟での心不全管理
【コラム⑧】慢性心不全患者の再入院を減らすための薬物の知識—心臓に悪い薬をなるべく避けよう!
有好 信博
1
,
平岡 栄治
2
Nobuhiro ARIYOSHI
1
,
Eiji HIRAOKA
2
1The Queen's Medical Center
2東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.1020-1025
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900629
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多くの薬物が心不全の増悪を引き起こし,心不全の患者において副作用をきたす可能性がある。また,さまざまな薬物の心毒性により新たな急性心不全を起こし得る。一般的な注意事項として,心不全を有する患者に薬物治療を行う際には,
① ナトリウム・水分貯留,陰性変力作用により心不全を悪化させる可能性
② 心毒性の可能性
③ 心不全に対して処方される薬物との相互作用
④ 急性心不全による腸管浮腫,うっ血肝,腎障害に伴う薬物動態(吸収,分布,代謝,排泄)の変化により効果や毒性が増減する可能性
などに注意する必要がある1)。
本稿では,心不全を悪化させる薬物,心不全において投与を慎重に行う必要のある薬物のほか,心毒性があり心筋障害を引き起こす可能性がある薬物について述べる。
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