今月の言葉
初産はなるべく早く
森山 豊
1
1東大
pp.5
発行日 1959年10月1日
Published Date 1959/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201759
- 有料閲覧
- 文献概要
家族計画指導の内容としては,出産回数,出産間隔と出産時期(季節)の3つがあげられる.しかし,この3条件の他に家族計画の中にもう1つ,初産の時期をいつにするかという計画の条件を加えねばならない.この初産の時期をきめるには母体の健康や,出産状況,母子の年齢差等いろいろの点から考慮せねばならない.近頃女子の結婚年齢は漸次おそくなりつつある.そのうえ結婚しても経済的その他の理由で避妊したり,或いは人工妊娠中絶をしてゆくために,ますます初産年齢はおくれてゆく,ところが産科学からみれば初産年齢がおくれるということは次のようないろいろ不利な条件が重なつてくるので,初産はなるべく早くということを強調したい.
1)年齢と受胎率 受胎率と女子の年齢には密接な関連があり,年齢が多くなるほど受胎率は低下してゆく,それで,今回は人工流産をしても,これから2〜3年後にも必ず妊娠するという保証はない.つまり女子の体はいつも同一状態ではなく,年とともに変化するものであるから将来妊娠しないかもしれないということを考えておかねばならない.
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.