特集 老年科
【総論】
4.介護施設・サービスの現状—治療のゴール設定に今後ますます不可欠となる知識
山村 修
1
Osamu YAMAMURA
1
1福井大学医学部 地域医療推進講座
pp.613-620
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900478
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厚生労働省の患者調査によれば,我が国の入院患者のうち65歳以上の高齢者が占める割合は年々増加し,平成26年には71.1%に達している(図1)1)。このうち75歳以上の高齢者は50.8%を占める。一方で高齢入院患者の平均在院日数は65歳以上で41.7日,75歳以上に限っても47.6日まで短縮している。過去30年間における我が国の医療は,増加する高齢患者を入院ベッドの高回転で支えてきた。この傾向は今後も強まり,「おおむね在宅,時々入院」が当面の目標といえるだろう。しかし高齢者の平均寿命と健康寿命との間には男女とも約10年の隔たりがあり,在宅ばかりでは対応できない場合も少なくない2)*1。
本稿では介護施設や各種サービスを紹介し,治療のゴール設定に不可欠となる知識として,その役割と相違点を列記する。
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