特集 DXでタスク・シフトせよ—働き方改革の打開策
病院DXと働き方改革の関係
働き方改革に不可欠なDX
高橋 泰
1
1国際医療福祉大学大学院医療経営管理分野
キーワード:
医師の労働観の変化
,
働き方改革
,
DX
,
デジタル・トランスフォーメーション
,
生産性向上
Keyword:
医師の労働観の変化
,
働き方改革
,
DX
,
デジタル・トランスフォーメーション
,
生産性向上
pp.300-304
発行日 2023年4月1日
Published Date 2023/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541211900
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■ワーク・ライフ・バランスを考える医師が増え,危機的な状況が訪れる
筆者の恩師である故・開原成允先生は,1990年代に厚生労働省の医師将来需要予測の委員会で委員長を務めておられた.その開原先生が2008年に医師の将来について筆者と話しているときに,「医師将来需要予測の委員長を行っていた時,一つだけ予想できなかったことがある.それは,医師がワーク・ライフ・バランスを考えて,働くようになることである」と語られたことがある.
医師国家試験に合格した新人医師の多くは,臨床医になるため卒後研修を経験する.今世紀初頭までは,医師国家試験後に新人医師がいきなり大学の医局に入り,専門医を目指す臨床研修を行うスタイルが主流であった.大学医局で滅私奉公的な臨床研修制度による初期教育を受けた現在の50歳以上の医師の多くは,「医療の王道は,内科や外科.仕事中心,常に週80時間ぐらい病院にいます.請われれば,過疎地でも働きます」というような労働観を持つ人が多い.
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