特集 精神科看護・Ⅱ
伝えたい精神科看護に不可欠な要素
神郡 博
1
1群馬大学医療技術短期大学部
pp.531-535
発行日 1989年9月25日
Published Date 1989/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663908691
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はじめに
精神科における看護教育を効果的に行なうためには,何をどう教えるかという基本的な課題に立ち入らなければならない.何をどう教えるかの概要は,看護教育のカリキュラムに明示されている.しかし,実際の方法論になれば,教育をする立場の指導者に委ねられる部分が大きい.教育の効果は,実際に教育にあたっている指導者が,精神科看護の何を重要と考え,どう伝えようとしているかにかかっているからである.このことは,端的にいえば,その指導者が,どんな看護観を持ち,どれだけ精神科領域の看護に造詣が深いかによる.
何を教えるか.筆者は,精神科看護を通じて看護の本質的な機能を理解させるためには,①対象の理解—心の病気と健康,②コミュニケーションの理解—患者とのかかわり方とコミュニケーション技術,③援助技術—精神科における看護援助の特徴と方法,この3つを軸に指導を展開するのがよいと考えている.以下にその方法と考え方を展開してみよう.
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