連載 ホスピタリストに必要な他科の知識・第2回
皮膚科の知識—薬疹の知識を学び,薬疹の対処を知ろう
箭原 弘典
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 皮膚科
pp.322-328
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900443
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
薬疹とは,内服,注射などの薬剤の投与により皮膚や粘膜に発疹を生じる疾患の総称である。頻度の差はあるものの,ほぼすべての薬剤が原因薬剤となり,発疹の形態もあらゆる皮膚疾患の形態をとり得る。機序はアレルギー性が多いが,薬理作用そのものによって発疹を生じることもある。中毒性表皮壊死症toxic epidermal necrolysis(TEN)やStevens-Johnson症候群(SJS),薬剤過敏性症候群drug-induced hypersensitivity syndrome(DIHS)*1などの生命にかかわる重症薬疹もある。個々の症例によって薬疹の症状や経過はさまざまであり,診断や対処が困難なこともある。あらゆる診療科で薬剤投与は日常診療行為であり,現実的には臨床医が薬疹を避けることは不可能である。そのため臨床医は,薬疹に対して最低限の知識をもち,被疑薬の中止や,すみやかに皮膚科医と連携するなど,適切な対応をとることが求められる。
本稿では一般的な薬疹への対処と,非常にまれではあるが重症な薬疹であるTEN,SJSについて述べる。
Copyright © 2013, MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD. All rights reserved.