特集 腎疾患
【慢性腎臓病(CKD)】
13.CKD患者における薬物投与のコツ—過剰・過少投与による治療の失敗を念頭に患者の経過を注意深く追う
金城 紀与史
1
Kiyoshi KINJO
1
1沖縄県立中部病院 総合内科
pp.179-184
発行日 2014年3月1日
Published Date 2014/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900404
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人口の高齢化や,高血圧,糖尿病といった慢性疾患の増加に伴い,慢性腎臓病chronic kidney disease(CKD)患者が増加している。
多くの薬物の排泄に腎臓が関与しており,CKD患者に腎排泄型の薬物を投与すると排泄が遅延するため,投与量や投与間隔を調整する必要がある。調整の仕方を誤れば過剰投与・過少投与のリスクがある。過剰投与は,過大な薬効の発現や中毒を引き起こす。一方過少投与は,不十分な薬効により治療の失敗や治癒の遅延を引き起こす。したがって,適切な調整が重要である。
本稿では,CKD患者に薬物を投与する際に注意すべき点について述べる。まず考慮すべき原則を挙げ,次に,腎機能低下患者における薬物投与の調整方法を記載する。また,CKD患者における薬物投与の調整方法にはさまざまな欠点があり,実際の臨床現場では想定どおりいかない。その要因を最後に挙げる。
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