連載 総合診療のプラクティス 患者の声に耳を傾ける・16
病歴から想定される疾患を念頭に置き,注意深く身体診察する
隈部 綾子
1
,
見坂 恒明
2
1自治医科大学地域医療学センター総合診療部門
2神戸大学大学院医学研究科地域医療支援学部門
pp.2252-2254
発行日 2015年11月10日
Published Date 2015/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223826
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経験豊富な医師は,病歴聴取で患者から情報を集めると同時に,診断仮説を立て,身体診察や検査でそれを検証していきます.身体診察には,①診断をつけるための情報収集,②臨床経過を観察するための情報収集,③好ましい医師患者関係の構築など,その時々によって微妙に異なる意義があります.
診断をつけるための情報収集に限定すると,身体診察は,メディカル・インタビューによる病歴聴取に基づいて,想定される診断仮説に当てはまる所見が特定の部位にあるかを検証するというマインドセットで行われています.得られた情報の特性(感度・特異度)を考慮し,診断確定または除外のために検査が必要かどうか,必要であればまず行うべき検査はどれかを判断することになります.
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