症例検討 麻酔歴に問題がある患者のインフォームドコンセントと麻酔 2
術後譫妄の既往のある患者
十分な鎮痛と術中の脳血流維持で譫妄を予防する
井出 進
1
,
川真田 樹人
1
IDE, Susumu
1
,
KAWAMATA, Mikito
1
1信州大学医学部 麻酔蘇生学講座
pp.902-904
発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101101026
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近年,麻酔薬やモニターの進歩に伴い,高齢者が手術・麻酔を受ける機会が増加している。術後譫妄postoperative deliriumは高齢者に発症することが多く,術後の回復を遅延させるため,高齢者の麻酔管理において注意すべき術後合併症の一つである。一般的な譫妄状態に対しては,精神科や老年内科によるコンサルテーションやリエゾン医学的アプローチが普及してきているが,術後譫妄はいまだにその機序に関して不明な点が多く,治療に難渋することが少なくない。とはいえ周術期の何らかの要因が術後譫妄に関与しており,麻酔科医はその診断や治療に積極的に関与すべきである。
そこで本稿では,術後譫妄の原因と予防・治療を概説し,麻酔科医として術後譫妄を予防するための方策について考察する。
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