今月の主題 下痢と便秘
下痢の特殊病態—病態,診断から治療まで
免疫不全症例における下痢
林 繁和
1
1名古屋掖済会病院消化器科
pp.1469-1471
発行日 1999年9月10日
Published Date 1999/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402906175
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●原発性免疫不全症では腸粘膜の防御機構が障害されて腸内抗原が侵入し,リンパ組織は著しい変化を示し,吸収不良や下痢を生ずる.
●続発性免疫不全症では腸リンパ管拡張症や蛋白漏出性胃腸症,リンパ系組織の悪性腫瘍や増殖症などで吸収不良や下痢を生ずる.
●免疫不全症では易感染性のため様々な感染性下痢を生じ,なかには致死的な例もあるので的確な診断と治療が要求される.
●GVHDでみられる下痢は重篤であるが,放射線照射や薬剤による非免疫学的臓器障害あるいは感染性下痢との鑑別も重要である.
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