特集 消化管疾患
4.腹痛—腹部臓器の解剖学的位置だけで鑑別を考えない
座喜味 盛哉
1
,
石山 貴章
2
Moriya ZAKIMI
1
,
Takaaki ISHIYAMA
2
1沖縄県立中部病院 消化器内科
2St. Mary's Health Center, Department of Hospital Medicine
pp.665-680
発行日 2014年9月1日
Published Date 2014/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900330
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ホスピタリストが日常で遭遇する数ある主訴のなかでも,腹痛はその頻度が極めて高く,時にその鑑別や治療に苦慮する。また,重篤で不幸な転帰をもたらす疾患が隠れていることもあり1),ますます臨床医を悩ませている。本稿では,ホスピタリストにとってまず重要となる腹痛一般の種類,病歴聴取のポイントを押さえる。そのうえで,解剖学的な知識はもちろん大切だが,必ずしもそれ(解剖学的位置)に沿わない腹痛が存在すること,泌尿器疾患や血管原性疾患といった,見落としがちな鑑別の重要性,さらには,例えば糖尿病性ケトアシドーシスdiabetic ketoacidosis(DKA)や急性間欠性ポルフィリン症acute intermittent porphyria(AIP)といった,その他の内科疾患も広く鑑別に挙げる必要があることを,それぞれの項目ごとに見ていきたい。
総合内科一般を扱うホスピタリストの日常臨床のなかで,最も頻度が高くかつ重要といっても過言ではないこの「腹痛」を,できるかぎりわかりやすく,ポイントを絞って解説する。
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