特集 緩和ケア
6.症状マネジメント:精神症状—不安,抑うつ,せん妄の評価と治療
大谷 弘行
1
Hiroyuki OTANI
1
1九州がんセンター 緩和治療科
pp.935-944
発行日 2014年12月1日
Published Date 2014/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900305
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緩和ケアにおいて,精神・こころについて取り扱うことは基幹であり,かつ不可欠である。一方で,これまでに多くのホスピタリストが,悩み,苦慮し,そして今でも過去の診療体験を「本当にあれでよかったのだろうか」と振り返ることが多々あるだろう。これには,精神・こころについて客観的に評価・判断するための検査などに関して十分な知見がないこと,そして,患者背景,家族背景,医療者自身の背景,原疾患背景,社会文化的背景など,さまざまな背景があり,誰一人として同じでない背景のなかで,患者個々に応じた多様な対応が求められていることが根底にある。
本稿では,そのような状況のなか少しでも現場で応用できるよう,緩和ケア精神領域の重要な知見をふまえ,具体的な症例に基づいて緩和ケアにおける不安anxiety,抑うつdepression,せん妄deliriumへの対応について述べる。
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