ベッドサイドの看護
CCUにおける患者の精神症状—不安とせん妄を中心に
上泉 和子
1
,
大森 里子
2
1聖路加国際病院
2聖路加看護大学成人看護学
pp.179-186
発行日 1984年2月1日
Published Date 1984/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661923003
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はじめに
私たちは,ICU,CCUにおいて様々な精神症状を示す患者に遭遇し,そのたびに思いだす言葉が‘ICUシンドローム’である.近年この言葉がクローズアップされるようになった背景には,患者の精神面への看護,ひいては全人的ケアへの関心の高まりが考えられ,大変喜ばしいことと思う.しかし‘ICUシンドローム’という言葉の定義が明確にされず,若干の混乱を来している現在,患者の精神症状を,安易にこの言葉で片付けてしまうことなしに,患者に起こる現象の1つ1つに取り組んでいくように心がけることが必要ではないだろうか.ゆえに,ここではあえて‘ICUシンドローム’という言葉は使わずに,CCUでみられる精神症状について,いくつかの事例を通して,その原因を考え,現在私たちが試みている看護介入の方法を述べてみたいと思う.
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