特集 呼吸器疾患1
【コラム】LVRS—肺気腫治療の1つとして考慮される肺容量減少手術
山下 素弘
1
Motohiro YAMASHITA
1
1四国がんセンター 胸部外科
pp.213-219
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900289
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重症肺気腫に対するLVRS(lung volume reduction surgery)は,GOLD*1Ⅳ期の治療法の1つに,肺移植とともに挙げられており,日本の「COPD診断と治療のためのガイドライン」1)でも外科治療法の1つとされている。Cooperら2)がその臨床成績を発表し,それまでの包括的呼吸リハビリテーションと,気管支拡張薬を中心とする保存的治療法での限界を大きく変える可能性のある治療として,急速に脚光を浴びた。その治療概念は,肺の気腫性変化の不均一性heterogeneityに着目し,気腫性変化の比較的強い領域を外科的に切除し,肺の容積を減少させることで,残存肺および過膨張になった胸郭の機能や運動効率を改善することにある。
本稿では,外科的切除によるLVRSの治療成績について,米国で大規模に行われた臨床試験NETT*2の結果3〜6)を解説し,その後の状況と問題点,さらにLVRSに代わる治療法となる可能性のある内視鏡的治療についても触れる。
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