特集 肺気腫に対するBLVR時代に見つめ直すLVRS
特集「肺気腫に対するBLVR時代に見つめ直すLVRS」によせて
千田 雅之
1
1獨協医科大学呼吸器外科
pp.491
発行日 2025年7月1日
Published Date 2025/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_kyobu78_491
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まだ施設が限定されているが,本邦でも重症肺気腫に対する気管支鏡的肺容量減量術(bronchoscopic lung volume reduction:BLVR)が保険適用となり開始されている.今後,BLVRによる肺気腫治療の恩恵を受ける症例が増加するものと思われる.一方,重症肺気腫に対する治療としては肺容量減量手術(lung volume reduction surgery:LVRS)が存在し,その有効性は示されているが,術後合併症の多さから本邦ではあまり多くは実施されてこなかった.BLVRでは呼吸機能での症例選択に加え,側副換気の評価としてCTによる葉間形成率90%以上かつChartis肺機能評価システム(Pulmonx社)による気管支鏡下の側副換気評価を経てバルブが留置されるため,BLVRを希望してもこれらのいずれかの項目で適応とならない症例が少なからず存在した.海外のデータではそういった症例がLVRSを希望し,結果としてLVRSの手術数も増加するとされている.

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