特集 呼吸器疾患1
はじめに|ホスピタリストにますます期待される呼吸器診療,その実臨床に使える知識
大西 尚
1
Hisashi OHNISHI
1
1明石医療センター 呼吸器内科
pp.1-5
発行日 2015年3月1日
Published Date 2015/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900272
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■背景と目的
超高齢社会を迎え,肺炎をはじめとする呼吸器感染症,慢性閉塞性肺疾患(COPD),肺癌などの疾患の増加や,呼吸器疾患合併患者,呼吸機能低下患者の増加は避けられない現状がある。呼吸器疾患を疑わせる愁訴はホスピタリストが最も多く遭遇する問題である。
もとより,呼吸器疾患を診療する医師には,外来では問診能力,身体診察能力,画像診断能力が,入院では,例えば誤嚥性肺炎では,Gram染色や患者背景から抗菌薬を選択し,投与するとともに,嚥下機能を評価しつつ,症状,身体所見から効果判定を行うなど,「純内科的な」診療能力が要求される。また,呼吸器疾患は,感染症,炎症,自己免疫疾患,腫瘍,血管病変,職業性疾患など,幅広い領域からなり,まさにジェネラリストとしての力量が試されるものである。全国的に呼吸器専門医が少なく,多くの病院で専門医が不在である現状を考えると,ホスピタリストに求められる呼吸器領域の診療能力は大きい。
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