特集 外来における予防医療
7.一般健診編:⑨うつ病—内科外来患者はうつ病の高リスク集団である
濱井 彩乃
1
Ayano HAMAI
1
1亀田ファミリークリニック館山 家庭医診療科
pp.461-470
発行日 2015年6月1日
Published Date 2015/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900262
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■定義
一般に「うつ」「うつ状態」「depression」「depressive syndrome」などの単語が使われるが,これらは抑うつ症状を呈する状態を示す曖昧な表現である。本稿で扱うのは,主にDSM-51, 2)*1で言うところの「大うつ病性障害/うつ病major depressive disorder」となるが,実際にはその周辺概念も含んでいる。なかでも「持続性抑うつ障害(気分変調症)persistent depressive disorder(dysthymia)」は,大うつ病性障害に近い症状が2年以上持続しているものであり,大うつ病性障害と症状が重なることも多い(臨床メモ①)。また,抑うつ症状はあるが,大うつ病性障害の診断基準は満たしていないケースも多い。depression/うつに関する研究では,「大うつ病性障害」のDSM基準を踏襲しているものもあるが,気分変調症や診断基準未満のうつ症状なども含んでいる研究も多く,研究間の比較が難しいという点には注意が必要である。
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