特集 時代の鏡としてのうつ病
一般診療所を訪れるうつ病患者の実態
渡辺 淳
1
1淳正診療所
pp.62-66
発行日 1983年1月1日
Published Date 1983/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661919759
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
最近うつ病患者が増えているということは,この病気に関する会合や書物・論文などでよくいわれることです.世界保健機関(WHO)の発表1)では,世界全人口の3%がうつ病患者と概算されているといいます.しかもその症状が一層はっきりと身体化の方向に変化して,うつ状態全体のうちの50%が身体症状の装いをもって現れているといっています.
こうした症例では身体症状が主になるため,一般医が精神科以外の診療科の専門医を訪れることになります.うつ病患者の90%が一般医によって治療されているとさえいっています.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.