特集 代謝内分泌
【コラム】下垂体偶発腫—初期評価,治療適応,フォローアップ
岡田 満夫
1
,
山田 正三
1
Mitsuo OKADA
1
,
Shozo YAMADA
1
1虎の門病院 内分泌センター 間脳下垂体外科
pp.114-117
発行日 2016年3月1日
Published Date 2016/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900137
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MRIを中心とした画像診断の発達普及に伴い,スクリーニング目的での頭部の検査が,以前にも増して一般的に施行されるようになってきている。その際,検査のきっかけとなった臨床症状とは直接関係がない,トルコ鞍部腫瘍性病変が偶然に発見されることが時にある。
当初は,無症候性トルコ鞍部腫瘍として外科治療されることもあったが,昨今は必ずしも治療を必要とせず,経過観察のみで問題のない症例が多く含まれていることが明らかになってきた。こうした病変,すなわち下垂体偶発腫は比較的頻度の高い疾患であるが,実際に外科治療が必要な症例はそれほど多くはない。
本稿ではまず,外科手術を必要とする下垂体偶発腫症例の特徴と,一般的な総合病院や施設でも可能な,スクリーニングのための生化学検査や画像検査について説明する。また,その治療方針のガイドラインも,国内外を問わずすでに発表されてきているが,いまだ意見の分かれるところである。そこで下垂体偶発腫について,これまでの報告をもとに当院での方針を交えながら,現在の一般的治療方針に文献的考察を加え概説する。
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