マクロとミクロ
下垂体
佐々木 憲一
1
1中央鉄道病院中検
pp.6-7
発行日 1974年6月1日
Published Date 1974/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200468
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下垂体は小指頭大(横0.9〜12cm,前後0.7〜1.0cm,高さ0.6〜0.9cm),重さ0.5〜0.7gの楕円体で,頭蓋底の下垂体窩(トルコ鞍)に位置している.下垂体は神経下垂体と腺性下垂体の2つの部分に大別される.肉眼的に赤色〜黄褐色の前葉と灰白色の後葉に分けられ,また両葉の間に中間部があって,後葉はさらに上方にのび,細い茎となって大脳の漏斗と連絡している.
胎生初期(3mm大のころ)に原始口腔の咽頭上壁が上方に突出しラトケ(Rathke)嚢が生じ,その部が特殊な分化をきたしたものが前葉で,一方後葉は大脳底部が突出してできるがこの2部が結合し,胎生3〜4か月で,ほぼ下垂体の原形が形造られる.
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