特集 ショックのPatient Journey
❽ —敗血症性ショック:de-resuscitation—蘇生輸液のevacuationはいつ・どのように・どこまで行う?—安全域を意識した体液管理
徳山 裕貴
1
,
亀井 純
2
Yuki TOKUYAMA
1
,
Jun KAMEI
2
1奈良県総合医療センター 集中治療科
2京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻 医療疫学分野
キーワード:
体液過剰
,
体液蓄積
,
腎代替療法
,
RRT
Keyword:
体液過剰
,
体液蓄積
,
腎代替療法
,
RRT
pp.237-245
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102201173
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はじめに
輸液による血行動態の安定化は,敗血症性ショックに対する最も基本的な治療介入の1つである。近年体液過剰による害が相次いで報告され,大量輸液を盲目的に行うことが否定的にとらえられつつあるなか,de-resuscitationという用語は2014年に登場した1)。その定義は「体液過剰の患者において,薬物や腎代替療法を用いて積極的に体液を除去すること」とされており,そのフェーズは近年提唱されているROSEモデルのevacuation期に相当する(メモ1)。
本稿では,蘇生を乗り越えた患者に対し「いつ・どのように・どこまで」除水を行うかに関して,敗血症性ショックにおける蘇生後からde-resuscitation期にかけての現行の知見を振り返り,症例をもとにその管理の実際について述べる。
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