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特集 COVID-19と循環器疾患
COVID-19による遅発性の劇症型心筋炎に対して,V-AV ECMOを要した1例
A case with V-AV ECMO due to delayed-onset fulminant myocarditis caused by COVID-19
星野 耕大
1
Kota HOSHINO
1
1福岡大学病院救命救急センター講師,同ECMOセンター副センター長
キーワード:
劇症型心筋炎
,
mixing zone
,
differential hypoxia
,
hybrid ECMO
Keyword:
劇症型心筋炎
,
mixing zone
,
differential hypoxia
,
hybrid ECMO
pp.860-863
発行日 2021年11月27日
Published Date 2021/11/27
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27909860
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新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はウイルス性肺炎のみならず,劇症型心筋炎を引き起こし,循環サポート目的のVA ECMOを要する症例が散見される.VA ECMO管理中には自己心から流れる順行性の血液とVA ECMOから逆行性に流れる血液が大動脈内で衝突するmixing zoneが存在する.自己肺の機能が不十分である際に肺循環を経由してきたmixing zoneまでの上半身の血液は酸素化が不十分であり,冠動脈や脳の低酸素状態が懸念される.この状態をdifferential hypoxiaとよび,VA ECMO管理中は見逃さないように注意しなければいけない.そして,differential hypoxiaを生じた際の対処法は呼吸と循環の両方をサポートするV-AV ECMOへのconfiguration変更を検討する.ただし,3本目のカニューレを要するhybrid ECMOはECMO管理に習熟した施設での管理が求められるため,日頃から各地域においてECMO患者を集約化するシステムを構築しておく必要がある.
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