特集 循環器集中治療(Critical Care Cardiology)
はじめに:循環器集中治療の現在と未来
香坂 俊
1
Shun KOHSAKA
1
1慶應義塾大学 循環器内科
pp.1-2
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200827
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ICUでもCCUでも,もはや単独の臓器の問題で入院してくる患者はほぼ存在しないと言ってよい。現代的な集中治療の現場では,急性心不全であったとしても,むしろ腎機能のほうが問題になることが多く,またPCIなどの血行再建に関しても全身状態を睨みながらそのタイミングをはかることなる。これは高齢化という要素もあるが,それよりも臓器連関の理解が進んだことの影響が大きいものと思われる。そうしたなか,これまで心臓や大血管一辺倒であった循環器領域でも「集中治療」への意識が高まっており,また集中治療の学会や研究会で「循環器」領域でのセッションが組まれることが多くなってきている。
今回の特集では,こうした状況をふまえて,幅広い集中治療の専門家,あるいは集中治療領域を志す若手医師の方々に活用いただけるような内容を目指して編集作業を行った。なおIntensivist誌では,過去に複数回の循環器の特集を組んでいるが,その時分からだいぶ年数も経っており*1,過去の特集で取り上げられたことがあるトピックに関しては,アップデートしている。また,項目立てに関しては,基本的に疾患ベースである。具体的に各章の内容は,以下の内容を含んでの執筆をお願いした。
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