特集 災害とICU
Part 3.ICUと災害・テロ・事件の歴史
【コラム】熊本地震とICU—ICSの3つのC,なかでもCoordinationの重要性を学ぶ
永田 高志
1
Takashi NAGATA
1
1九州大学大学院医学研究院先端医療医学講座 災害・救急医学分野
pp.412-417
発行日 2020年4月1日
Published Date 2020/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200759
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大災害において,病院ICUが考えるべきことは,①生き残る(入院中の患者と医療スタッフを守る),②多数傷病者に対応する(転院受け入れを含む),③病院避難する,である。
筆者は,大学に勤務する救急医かつ災害医療・危機管理の研究者である。2016年4月14日,16日に発生した熊本地震において,日本医師会災害医療チームJapan Medical Association Team(JMAT)の先遣隊として現地入りし,筆者自身も被災しながら4日間にわたり益城町,熊本市,そして熊本県災害医療対策本部で活動に従事した。その経験をふまえて,①熊本地震における医療機関全体およびICUの対応を紹介し,②大災害による多数傷病者発生時におけるICU対応計画の課題と対策について述べる。
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