連載
医系技官とはどういうもので,何をしているのか
志馬 伸朗
1
,
細川 康二
1
,
飯塚 悠祐
2
1広島大学大学院医系科学研究科 救急集中治療医学
2自治医科大学附属さいたま医療センター 麻酔科
pp.589-591
発行日 2019年7月1日
Published Date 2019/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200668
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仕組みを作る,参加する
およそ近代の世の中のほぼすべてのことは,“仕組み”として形作られている。法治国家において,秩序を維持する目的で存在する根源的な仕組みは“法”である。立法府が作成し,行政府が運用し,司法府が判断する。ただ,行政機関の運用が,すべて法のみで行われるわけではない。より緩やかで,かつ具体的な下位手段として,行政機関より発出される“政令”“省令”“通達”や“連絡”により,細部が補完され,仕組みができあがる。
医療の仕組みを形作る中央官庁が厚生労働省である。我々現場の医療従事者は,このなかで動かされている。より正確には,日常的には動かされているという認識をもつことがあまり多くないなかで,動いている。できるだけ空気のような統制力をもつ仕組みが,行政あるいは社会としては望ましいだろう。
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