特集 重症感染症
1.集中治療医のための感染症診療の原則
青木 眞
1
Makoto AOKI
1
1サクラ精機(株)
pp.1-6
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100255
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感染症診療の原則の重要性は,集中治療の(≒より重篤な病態を扱う)世界でもまったく変わらない。唯一,異なるとすれば原則の重要性が増すことだけである。病態が重篤になるほど原則を徹底させる必要があり,これをおろそかにすれば失敗は目に見えている。
集中治療においても感染症診療のポイントは,表1にある4つの要素が検討されているかどうかが鍵となる。この4要素を有機的に関連させながらよい感染症診療を行うためには,微生物学的な知識に加えて,広範な鑑別診断を展開しながら臨床像を分析する総合診療科的な能力が必要とされる(メモ1)。この4要素とは,①正確な感染症の存在とその重症度の認知,②問題の臓器・解剖と原因微生物の整理,③①と②に基づく適切な抗菌薬の選択・変更,④適切な抗菌薬の効果(=感染症の趨勢)判定,である。
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