特集 膠原病・血管炎
前書き:Critical Care Rheumatology:慢性炎症性疾患の緊急病態を撃つ
萩野 昇
1
,
植西 憲達
2
Noboru HAGINO
1
,
Norimichi UENISHI
2
1帝京大学ちば総合医療センター 第三内科学講座(血液・リウマチ)
2藤田医科大学医学部 救急総合内科
pp.783-784
発行日 2018年10月1日
Published Date 2018/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200559
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膠原病・血管炎は「慢性・多臓器・自己免疫性(あるいは自己炎症性)疾患」である,と換言できる。関節リウマチなど一部の疾患を除いてはまれな症候群であり,自己抗体で診断し,診断の如何によらずステロイドで治療する,というのが膠原病・血管炎の旧来のイメージではないだろうか。
1994年に,サイトカインの1つ,TNF(tumor necrosis factor)-αを特異的に抑制するモノクローナル抗体が開発され,その抗体を点滴静注することによって関節リウマチが劇的に改善した。これをもって,「現代リウマチ学の幕開け」であると言える1)。紹介した例は,1948年9月21日にMayo Clinicで関節リウマチの29歳の女性に対し,生合成に成功したばかりのコルチゾンを筋肉注射したことが近代リウマチ学の幕開けとなった,ということにも比肩されるべき出来事である。
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