特集 心臓血管外科 後編
前書き:頭でやる心臓血管外科の術後管理
田端 実
1
Minoru TABATA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 心臓血管外科
pp.1-2
発行日 2016年1月1日
Published Date 2016/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200235
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「手術は手でなく頭でやる」とはよく言われることであるが,心臓血管手術はまさにその真髄であろう。
例えば全弓部大動脈置換術は,手技としては太い血管を5か所吻合するだけの単純作業であるが,体外循環による全身臓器の灌流,循環停止による臓器障害,冷却や復温のタイミング,脳保護,心筋保護,視野展開などについて同時に考えながら行うわけである。同手術は施設や術者によって手術時間に大きな差が出るが,それを決めるのは血管吻合の速さではなく(質は止血時間にかかわるため重要だが),思考の速さ(よく考えられた効率的な手順や瞬時の判断力)である。もちろん術者以外の要素も大きく,助手,麻酔科医,臨床工学技士,看護師にも同様の思考が求められる。
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