特集 輸液・ボリューム管理
Part 2 各論
【コラム】維持輸液とはなにか?
真弓 俊彦
1
,
石川 成人
2
,
大坪 広樹
2
Toshihiko MAYUMI
1
,
Shigeto ISHIKAWA
2
,
Hiroki OTSUBO
2
1産業医科大学医学部 救急医学講座
2産業医科大学病院 救急科
pp.464-467
発行日 2017年4月1日
Published Date 2017/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200398
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ここでは「維持輸液」について,歴史的経緯から最新知見までを概説する。なお。3号液は一般に「維持液」と言われているが製剤の一種であり,ここで扱う「維持輸液」とは別であることをご留意いただきたい。
Summary
●「維持輸液」とは,1日に必要な水分量を輸液すれば,細胞外液量と健常な電解質レベルを“維持”できる,と考えられる輸液の概念である。
●急性疾患や重症患者は,バソプレシン分泌過剰の状態にある。「維持液」などの低張液を漫然と投与した場合,低ナトリウム血症から不可逆的な脳機能障害や死をまねくことがあり,特に小児では注意が必要である。
●急性期や重症患者では,維持輸液の組成を一律に規定することはできない。
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