特集 ICUにおける神経内科
Part 2 中枢神経疾患
8. てんかん重積状態の脳波モニタリング—基本的事項と注意すべき脳波所見
河合 真
1
Makoto KAWAI
1
1スタンフォード大学 精神行動科学睡眠医学部門
pp.819-825
発行日 2016年10月1日
Published Date 2016/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102200324
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近年,ICUにおけるてんかん重積状態に脳波モニタリングを実施すべきであるとのコンセンサスが得られつつある。しかし,実際に施行するには,設備やシステムをどのように整え運用していくのかという点や脳波判読を依頼する神経内科医の確保など課題は多い。そこで本稿では,集中治療医が理解すべき脳波モニタリングの基本,神経内科医をコールすべき脳波,薬物ウィーニング時の脳波所見などについて解説する。
Summary
●てんかん重積状態後は非痙攣性てんかん重積状態,非痙攣性てんかん発作に移行しやすい。
●脳波モニタリングで認められる脳波所見は,てんかん発作性のものから間欠期のものまであるが,区別が明確でないことがある。
●脳波モニタリングの目標は,あくまでもてんかん発作の抑制seizure freedomである。
●24時間のseizure freedomを達成してからウィーニングを考慮する。
●脳波のレポートは原則24時間ごとに行うが,必要に応じて集中治療医の疑問に神経生理医が答える必要がある。
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