増刊号 ひとりでも困らない! 検査当直イエローページ
Ⅲ章 報告前に必要なチェック
〔脳波検査〕
意識障害診断と脳波検査—非痙攣性てんかん重積状態の脳波検査の重要性
野沢 胤美
1
1虎の門病院神経内科/臨床生理検査部
pp.1341-1350
発行日 2015年10月30日
Published Date 2015/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542200605
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はじめに
今日のCT(computed tomography)やMRI(magnetic resonance imaging)など画像検査の進歩は,中枢神経疾患,特に脳病変の早期診断と治療に多大に貢献している.しかし,画像検査と脳波検査はその目的は異なり,前者は形態検査,後者は機能検査であり,両者の結果を総合することによって正しい診断が可能になる.
緊急検査は昼夜に関係なく,それが可能な体制が必要になる.勤務時間外(夜間)に脳波検査が常時行われる体制を準備することは,脳波検査に精通した検査技師と経験豊富な脳波判読医の常駐が必要である.欧米の一部の医療機関では脳波検査を24時間施行できる体制がとられており,検査のオーダ後,1時間以内に検査が施行されている.日中の勤務時間以外(午後6時から午前8時30分)はオンコールで検査技師は直ちに検査に対応するようになっている.
本稿では,緊急の脳波検査が必要となる意識障害を中心に,脳波検査の手技,脳波所見の疾患特異性などについて記載する.
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