特集 PIHからHDPへ―妊娠高血圧症候群up to date―
11. 妊娠高血圧症候群母体より生まれた児の予後
増山 寿
1
,
光井 崇
1
H. Masuyama
1
,
T. Mitsui
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科産科婦人科学分野
pp.649-654
発行日 2018年6月1日
Published Date 2018/6/1
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000463
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妊娠高血圧症候群(HDP)は,母体は早産,子癇,常位胎盤早期剝離など,児は胎児発育不全(FGR)を合併しやすい重要な周産期疾患である。HDP罹患女性は将来のメタボリック症候群や心血管疾患の発症リスクが上昇することが知られている。さらにHDPはFGR出生母体リスク因子のトップであり,HDP発症母体から出生した児は,将来メタボリック症候群や心血管疾患発症リスクが高いと報告されている。特にFGR児の急激なcatch upは学童期や成人期の肥満や高血圧などの生活習慣病に関与する可能性があり,ハイリスク群として継続的なフォローアップおよび介入により発症を抑える予防医療に向けた取り組みが必要である。
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