特集 急性呼吸不全
第3章
11.急性呼吸不全の鑑別とマネジメント―Part 3:症例ベースで学ぶ治療抵抗性肺炎
北村 浩一
1
,
平岡 栄治
1
Kouichi KITAMURA
1
,
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.895-911
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100600
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細菌性肺炎を疑われ抗菌薬が投与されたが臨床上も画像上も改善せず,呼吸不全に陥り集中治療室へ入室してくる症例をしばしば経験する。こういった症例は,治療抵抗性肺炎non resolving pneumoniaとよばれている1)。市中肺炎community acquired pneumoniaの10%,医療ケア関連肺炎hospital care associated pneumonia(HCAP)の50%が,治療抵抗性肺炎と報告される2)。さらにそれらの予後は不良で,治療抵抗性の市中肺炎の場合,死亡率は43%にもなる2)。抗菌薬に対し適切な反応を示し“順調な経過”を示しているかどうか判断することは救命のために必要である。もし“順調な経過”でなければ,どのような戦略で適切に診断し治療していくかを知っておかねばならない。
本稿では3症例を提示し,治療抵抗性肺炎についての診断,治療について解説する。
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