特集 心不全
Part 3:ICU,病棟での心不全管理
Editorial|Part 3:ICU,病棟での心不全管理
平岡 栄治
1
Eiji HIRAOKA
1
1東京ベイ・浦安市川医療センター 総合内科
pp.889-896
発行日 2018年12月1日
Published Date 2018/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3103900616
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第8章 Heart failure with reduced EF(HFrEF)を診る
HFrEFは,急性期は利尿薬,血管拡張薬,非侵襲的換気療法(NIV)で加療です。急性冠症候群(ACS)なら冠動脈造影を行い,血行再建を考慮します。心電図でST-T変化なく,胸痛なく,トロポニン陰性でも虚血性心筋症の可能性は残るので,その精査は必要です。
原因疾患は虚血性と非虚血性とに分けられ,両方に共通の治療はACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害薬,β遮断薬,アルドステロン拮抗薬です。1987年にはCONSENSUS試験という衝撃的な研究が発表されました。NYHA ClassⅣの患者にACE阻害薬を入れると,1年死亡率が52%から36%にまで低下しました。NNT(number needed to treat)は5.5くらいです*A。NYHA Ⅳ心不全患者を対象としたカルベジロールの研究では,1年死亡率は18.5%から11.4%に低下しています(NNT=14)*B。β遮断薬だけでなく,ACE阻害薬も非常に重要です。虚血性心筋症なら,血行再建の適応になる症例があります。
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