特集 急性心不全
3.急性心不全の病態生理総論
平岡 栄治
1
Eiji HIRAOKA
1
1神戸大学医学部附属病院 総合内科
pp.653-661
発行日 2010年10月1日
Published Date 2010/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100339
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ヨーロッパ心臓病学会の心不全のガイドラインによると,急性心不全は“心不全の症状や所見が急激に出現したり悪化したりして,すぐに治療が必要な状態”と,ごく簡単に定義されている1)。しかし,急性心不全はさまざまな基礎疾患や悪化因子により生じ,臨床症状も多様である。さらに,収縮能低下による慢性心不全に関しては,さまざまな大規模研究が行われエビデンスが蓄積されている一方で,急性心不全にはあまり存在しないため,個々の患者の病態に応じたマネージメントが必要とされる。本章ではより適切なマネージメントを行うことを念頭に,急性心不全に伴うさまざまな病態を解説する。
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