Japanese
English
Bedside Teaching
抵抗性心不全とその治療
Management of Refractory Heart Failure
杉野 信博
1
,
本田 喬
1
Nobuhiro Sugino
1
,
Takashi Honda
1
1東京女子医科大学心臓血圧研究所
1The Heart Institute of Japan, Tokyo Women's Medical College
pp.515-525
発行日 1975年6月15日
Published Date 1975/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202777
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抵抗性または難治性心不全(refractoryまたはintrac-table heart failure)についての研究・総説は,最近の治療の進歩とともに多数発表されているが,本稿では主として水・電解質平衡の面からみた抵抗性心不全の病態および治療について記述したい。
本症候群の定義については,報告者により細部ニュアンスが異なるようであるが,従来の意見を総合した共通点としては,"心筋の機能障害に基づく水、電解質の貯留が起き,通常の治療法(強心・利尿剤,安静など)に十分反応しないもの"1)2)と解すべきであろう。実際には高度な心筋障害による心拍出量の低下があり(例えば心筋硬塞僧帽弁膜症),血行力学上の障害を招き,二次的hormone分泌異常を伴い,水・電解質の体液内(主として細胞外液相)貯留をきたすことが最も多い。臨床的には初診時にきわめて重症であり,浮腫も高度であっても比較的短期間の治療に応じることもあり,可逆性(reversibility)の悪いことが本症候群の特徴と言えよう。
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