今月の主題 狭心症—各種治療手段の適応
外科的治療法
IABPと緊急A-Cバイパス術の適応
深見 健一
1
1国立循環器病センター・内科心臓部門
pp.1530-1531
発行日 1986年9月10日
Published Date 1986/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402220530
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近年,狭心症の発症機序に関する研究の発展と各種抗狭心症薬の開発により,その治療成績は一段と向上したが,一方,大量の硝酸薬やCa拮抗薬,β遮断薬,抗凝固薬などの併用によっても発作が予防しえず,心筋梗塞症を発症したり,それにより死亡する例も少なからず経験される.このような内科治療抵抗性狭心症の治療として大動脈内バルーンパンピング(IABP)や緊急A-Cバイパス術が有効であるとする報告も数多くみられる.しかし,狭心症の不安定期のA-Cバイパス術は,安定期のそれと比較し,心筋梗塞発症頻度が高いとの報告もある.したがって,どこまで内科治療を行い,どの時点で外科療法にきりかえるかが問題となる.本稿では,これまでの治療成績の報告と,当院での狭心症315例の治療経験からIABPと緊急A-Cバイパス術の適応について概説する.
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