特集 PICU
1.総論―小児集中治療の現状とこれから
植田 育也
1
Ikuya UETA
1
1静岡県立こども病院 小児集中治療センター
pp.429-433
発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100439
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PICU(pediatric intensive care unit)とは,生命の危機に曝された重篤な小児を集約化して診療する診療部門である。最近の医療政策により,日本国内でもPICUの整備が始まりつつある。しかし,現状のPICU病床数は他の先進諸国に比べて極めて少ない。また,その機能をみると,PICU病床の大半は自施設の手術患者の術後管理用の病床であり,専門医は常駐していない場合も多く,さらに院外からの救急患者受け入れのために常に門戸を開いている施設は少ない。また救命センターの中に数床規模のPICUが設置されつつあるが,小児集中治療を専門に学んだ経験をもつ医師が複数在籍し,重篤な小児救急患者を常に診療している施設は多くはない。つまり,小児集中治療専門医が常駐し,24時間体制で小児集中治療および臨床教育を行っている施設はまだ数少ない現状である。
本稿では総論として,PICUとは何かを論じ,さらに今後の展開について考察する。
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