特集 術後管理
【コラム】術後肺塞栓を疑ったら―アンテナを張りめぐらし,早期の診断・治療に結びつける
鈴木 龍児
1
,
藤谷 茂樹
2
SUZUKI, Ryuji
1
,
FUJITANI, Shigeki
2
1聖マリアンナ医科大学 救急医学
2東京ベイ・浦安市川医療センター/聖マリアンナ医科大学 救急医学
pp.304-307
発行日 2012年4月1日
Published Date 2012/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3102100416
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肺塞栓症pulmonary embolism(PE)と深部静脈血栓症deep vein thrombosis(DVT)は一連の疾患と考えられ,合わせて静脈血栓塞栓症venous thromboembolism(VTE)と呼ばれている。VTEは,発症頻度は高くないが,非特異的な症状を呈し,診断が困難で,時に致死的となる疾患群である。カナダでの外科系ICUではVTEの頻度は2.0%1)と報告されているが,本邦ではVTEに対する認識が低く,重度のPEになって発見されるケースもあとを絶たない。厚生労働省の患者調査では,周術期PEの症例数は全国で2000例で,400~500例の年間死亡症例が推測されている2)。本稿では,周術期管理でどのようなときにPEを疑うのか,症例と併せて解説する。また,術後PEの治療法にも言及する。
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